DoorDashは9月30日、複数のAI製品を発表した。それぞれ提供段階は異なる。米国の顧客はテキスト注文の待機リストに登録できる。配達員にはSMSアシスタントがあり、新しいアプリ機能も提供され始めている。DoorDashはレストラン向けのDashOSを発表し、法人向け注文コネクターは限定ベータ版にとどまる。同社の イベント概要は各製品をまとめて紹介する一方、個別の発表ではそれぞれ異なる利用条件が示されている。

大きな変化

DoorDashは配送事業の4分野にAIツールを追加する。注文の検索と決済、配達員からの質問対応、レストランの顧客データ活用、職場のエージェントによる注文だ。DoorDashによると、DashBuddyは米国とカナダで提供中。テキスト注文は米国の待機リストを伴う対象ユーザー向けの試験運用で、Dasherアプリの新機能は順次展開中、法人コネクターは限定ベータ版だ。一部のDashOS連携は2027年に予定されている。いずれも、利用資格と人の権限によってAIが実行できる操作が決まる。

顧客:試験運用の対象ならテキストのやり取りでカートを作成できる

新しい消費者向けアシスタントは、料理やおすすめ、再注文のSMSを受け取り、地域のメニューを検索してカートを提案し、顧客が会話内で確認した後に決済するよう設計されている。DoorDashによると、米国の消費者はベータ版の待機リストから申し込める。より広範な Dash Forwardの発表では、対象がiOSを使う米国の消費者と明記されている。待機リストへの登録だけで、テキスト注文用アカウントが利用可能になるわけではない。 DoorDashの発表では、アプリ内の別機能であるAsk DoorDashの食料品購入支援も紹介されている。再注文の提案や、購入者が選択または拒否できる低価格の代替品提案などが含まれる。

DoorDashのヘルプセンターは、日付が明記されていないページで、対象は米国の一部アカウント保有者に限られる。継続的な自動SMS、メッセージやデータ通信料の可能性、DoorDashと配信業者による処理、個別化や削除依頼、決済前のカート確認について説明している。

DoorDashによると、2026年6月のMarketplaceデータではAsk DoorDashが食料品の買い物かごを5倍速く作成した。また、8月から9月初旬にAskで作成された食料品注文は、同じ顧客の通常注文と比べ、かごの金額が約50%高く、商品種類が約60%多かった。これは既存のAsk体験について指定期間に測定した同社の数値であり、新しいSMS試験の結果でも、顧客が節約できることを示す独立した証拠でもない。 DoorDashは発表資料で測定期間を示している。

配達員:SMS支援は提供中、アプリ機能は順次展開

DashBuddyは新しい配達員からの勤務時間、需要の高い場所、報酬に関する質問にSMSで答える。DoorDashによると、米国とカナダで提供中で、音声モードを試験している。別途、米国のDasherアプリに、いつどこで働くかなどの質問に答えるAIツールを展開中だ。アプリの展開完了時期は発表されておらず、全配達員がすでに利用できるとも示されていない。

DoorDashによると、2026年9月までに20万人を超える配達員がDashBuddyを利用した。また2026年7月から9月までの社内データに基づき、登録中または初回配達を準備している人の質問の約95%をアシスタントが解決したという。発表は解決の判定方法を定義せず、独立評価も示していない。DashBuddyと話した人が3日以内に初回配達を完了する割合が高かったという観察は相関関係であり、アシスタントが開始を促したと証明するものではない。

レストラン:DashOSが顧客との接点をつなぎ、追加連携を計画

DashOSはDoorDashのレストラン向けプラットフォームで、Marketplace、直接注文、予約、ロイヤルティ、顧客管理、マーケティング製品を連携する。DoorDashはAIによるパーソナライズ推薦のほか、マーケティング、顧客分析、レビュー返信、通話向けのツールを紹介している。同社によると、2026年7~8月の社内テストでは、AIの個別化されたレストラン推薦を見た消費者の総予約数が、見なかった人より15%超増加した。発表には比較対象があるが、サンプル数や加盟店全体の結果は示されていない。

プラットフォームの発表では、POSやミドルウェアの提供会社との連携が計画されている。2027年以降、DoorDashはこれらのシステムを使う8万店超のレストランに、SevenRoomsの顧客プロフィール、オンライン注文、特典、ロイヤルティを活用する追加手段を提供する計画だ。計画中の連携が現時点ですべてのレストランで使えるわけではない。

オフィスチーム:エージェントによる注文は限定的な法人ベータ版のみ

DoorDashの注文コネクターはModel Context Protocolを使い、互換性のある職場向けAIツールをDoorDashに接続する。接続したエージェントは商品検索、カート作成、注文、配達追跡ができるという。利用は企業単位で始まり、エージェントが従業員に代わって操作する前に、本人が自分のDoorDashアカウントにログインして規約に同意する必要がある。DoorDashは初期ベータの提携先を挙げる一方、自社従業員向けに注文する企業に限定するとしている。企業向け待機リストは9月30日に開設された。個人開発者向けの別のコマンドライン・インターフェースのベータ版も、ポータルからアクセスを申請できる。

このコネクターにより、許可されたエージェントは依頼から購入まで進められるため、従業員のログインと企業の適格性が重要な管理策となる。DoorDashは今回の発表で、一般提供時期、独立した信頼性調査、詳しい公開設定手順を示していない。現時点の利用可否は、限定的な法人ベータへの参加承認に左右される。