会社の会議室で隠し録音機器が見つかった後、連邦検察はOpenAIの技術者を起訴した。 AP通信が報じた10月13日の声明でOpenAIは、AIモデルが機器の理解と、数日前に設置したとされる社員の特定に役立ったと述べた。同社は使用したモデルや、その貢献をどう検証したかを明らかにしていない。

大きな変化

  • 何が変わったか: OpenAIは、物理的な録音機器と社員が関係する社内調査で自社モデルを使ったと説明している。これは単一の事例に関する会社側の説明であり、方法は開示されず、モデルの役割について独立した評価もない。
  • なぜ重要か: セキュリティチームには物理的証拠、アクセス記録、人を結び付ける作業が必要だ。ここでは公開説明がAIをその関連付けに使ったツールの一つとして挙げている一方、刑事訴追の根拠となる調査内容は今後、法廷で検証される。
  • 今後の注目点: 刑事事件を通じて、機器や傍受された可能性のある会話について証拠が何を示すのかが明らかになるかもしれない。OpenAIはモデルの作業手順を説明していないため、公開記録から今回の調査での有用性を評価することはまだできない。

検察側の主張

米司法省の 10月13日付発表 によると、Abdulrahman Alfozanは10月9日に逮捕され、10月13日に連邦裁判所へ初出廷した。口頭での通信を傍受する装置を使用、または使用しようとした罪に問われている。罪状と訴状の説明はいずれも申し立てであり、有罪認定ではない。

司法省が要約した訴状によると、OpenAIの社員は9月30日、サンフランシスコの役員用会議室で隠された録音機器を発見した。発表では、機器は9月28日ごろに設置され、内容は暗号化されていたという。また、発見前にAlfozanが部屋の近くにいたとする社内カメラ映像にも触れている。司法省は、10月5日に彼と関係するバッグから2台目の類似機器が見つかったとも述べた。

訴状はさらに、生産性ツールを通じたオフィスの部屋や予定の照会と、Alfozanの配偶者に関連付けられたチャットボットアカウントからの機器関連の入力を申し立てている。これらはアカウント活動に関する捜査側の主張だ。発表は、機器が会議を録音したこと、機密情報がOpenAIから持ち出されたこと、機器が置かれたとされる理由を立証していない。FBIの捜査は続いている。

モデルの役割についてOpenAIが述べたこと

OpenAIは AP通信 に対し、モデルを「機器とその出どころを理解するため」に使い、数日前に設置したとする特定の社員を特定したと説明した。同社はFBIに通報し、その社員を解雇したとも述べた。また当時、その人物がモデルの重み、ソースコード、顧客データに不正アクセスした、または持ち出した兆候はなかったとしている。

公開声明ではモデル名も、モデルに渡した証拠も示されず、人の捜査担当者が出力をどう確認したかも説明されていない。司法省の発表は訴状の主張を記しているが、特定の証拠上の認定をAIに帰していない。したがって両者の説明から言えるのは限定的だ。OpenAIはモデルが調査を支援したと述べているが、公開記録からは、訴追対象の社員の特定にどの程度寄与したか分からない。

傍受があったとされる件の結末も未確定だ。暗号化された機器の内容、録音の有無、今後の裁判所の判断は、調査ツールに関するOpenAIの主張とは別の事柄である。事実が確定するまでは、これは企業のセキュリティ調査でAIが使われたとの報道であり、AIフォレンジック手法の効果を測定した実証ではない。

出典・参考資料