Multiverseは、講師が担当するすべての授業を評価するCompassというAIツールを導入した。同社によると、管理者はこのツールで問題の可能性に気づき、より具体的な指導を提案できる。取材に応じた講師たちは同紙に、仕事中ずっと見られている感覚があり、システムに何を指摘されるか不安だと語った。

この証言が描くのは、人による不定期な観察から、AIによる日常的な評価への移行だ。Compassが雇用上の判断を行うと証明されたわけではない。Multiverseは、そうした判断は引き続き人間が行うとしている。

大きな変化

  • 変更点:Multiverseによると、以前は管理者が講師を観察する頻度はおよそ月1回だった。現在Compassは授業をすべて評価し、個々の授業を継続的なフィードバックとリスクの可能性を示す情報源に変えている。
  • なぜ重要か:管理者は警告のあった授業を早く確認できる一方、評価対象が広がれば講師の労働環境も変わる。講師たちはThe Guardianに、監視されている感覚や、授業を理由に問いただされる可能性がストレスになっていると語った。これは取材で報告された証言であり、全従業員への影響を独立に測定した結果ではない。
  • 注目点:Multiverseは、10月から講師も管理者と同じ報告書を閲覧できるようにするとしている。これが実現すれば、AIの提案、人間による確認、業績管理の違いが、評価対象である講師自身にも見えやすくなる。

Compassの評価内容

Multiverseは9月25日の投稿で、Compassが授業をCompass Frameworkと照合し、学習者のフィードバックと合わせて分析すると説明した。各授業のレビューを作成し、質が損なわれるおそれのある箇所を管理者に示すほか、講師の長期的な授業内容から育成分野を提案する。同社は、これを講師への判定ではなく、人間が確認するための手がかりと説明している。

The Guardianによると、オンライン授業の記録が分析され、採点される。同紙の記事では、接続障害をすぐに解決できなかった場合、つなぎ言葉を多用した場合、課題の指示が不明瞭だった場合などを、システムが指摘することがあるという。これらは同紙の取材に基づく例だ。Multiverseの公開投稿には、Compass Frameworkの全容や各指摘を生成する際の指示は掲載されていない。

Multiverseによると、デリバリー・マネージャーはCompassの報告書を自らの知見と照合し、対応の要否を判断して講師と育成目標を決める。同社は、業績管理は人間による観察に基づき、Compassは雇用について判断しないとしている。広報担当者はThe Guardianに、AIが取り得る最も重大な行動は人間に授業の確認を勧めることだと語った。これらは会社の方針と意図された手順の説明であり、すべての指摘が実際にどう扱われているかを示すものではない。

講師たちが語ったこと

複数の講師が匿名を条件にThe Guardianの取材に応じた。ある講師は、システム導入後のストレスで睡眠に影響が出たと語った。別の講師は、AIの評価を避けようとすることで、授業の実施や学習者の話を聞くことから注意がそれたと述べた。同紙は講師による一人称の寄稿も掲載した。そこでは、学習者の必要に応じた対応が、指導台本からの逸脱と誤解され、管理者の調査対象になる場合があると説明されている。

これらはThe Guardianが伝えた当事者の証言だ。BIG CHANGEは講師に取材しておらず、職員のウェルビーイングへの影響も測定していない。それでも証言は、継続的な評価システムに関する実務上の問いを浮き彫りにする。指摘された箇所は不適切な指導を示すのか、それとも講師の判断を適切にした文脈を見落としているのか。

導入状況によって、講師が現時点で自分の評価を確認できる範囲も限られている。Multiverseによると、8月の試験運用と9月の導入期間中、報告書を閲覧できたのは管理者だけだった。10月には社内のコーチング・プラットフォームを通じて講師にも閲覧権を与えるという。The Guardianの一人称寄稿者も、執筆時点では管理者がダッシュボードを見られる一方、講師は見られなかったと述べている。

判断を下すのは誰か

授業から雇用上の影響に至るまでには、Compassがレビューを作成し、管理者が懸念箇所を確認し、人間が対応を決めるという複数の段階がある。同社によると、正式な業績管理は人間の観察に基づく。The Guardianの報道は、自動的な雇用判断がなくてもこの区別が重要な理由を示している。指摘が管理者の精査を招き、講師が受けるフィードバックを左右する可能性があるからだ。

Multiverseが公開したAI原則は、透明性と人間による指導を掲げている。10月に講師へ報告書を公開するという約束は、講師にとって、これらの方針への具体的な試金石となる。ただし、閲覧できるだけでは評価の正確さや、講師が異議を申し立てられることまでは証明されない。公開資料からは、システムの誤りの割合、管理者が指摘を退ける頻度、Compassの報告が個人の雇用上の結果に影響したかは分からない。BIG CHANGEはCompassをテストしていない。

ここで扱うのは、雇用主がAIで教育の仕事を評価する事例だ。これは大学が学生のAI採点利用に設ける規則とも、AI訓練業務で求められる独立した人間の判断とも異なる。いずれの場合も、評価される仕事とシステムに与えられた権限に応じて、適切な境界を具体的に定める必要がある。