Anthropicは株主に、7人の共同創業者が会社の大半の事項について合計50.1%の議決権を持つ種類株式の承認を求めていると、The Informationが9月24日に報じた。その記事の内容は、Reutersも要約しており、公開書面でAnthropicが確認したものではない。この案が注目されるのは、同社がすでに独立Trustに取締役の選任に関する特別な権限を与えているからだ。将来の一般株主の権利は、こうした権限の関係をどう定めるかに左右される。

大きな変化

  • 変わったこと:Anthropicは、Long-Term Benefit Trust(長期的利益信託)が取締役選挙に関する権限を得る統治構造を公表している。新たに報道された案では、持ち株に関する条件付きで、創業者にその他大半の会社事項について過半数の議決権を持たせるという。案が採用されたかどうかは確認されていない。
  • なぜ重要か:一般株主の経済的持分と議決権は、大きく異なる可能性がある。報道された案では創業者の影響力を保つ一方、取締役会を形作る別の手段はTrustに残る。取締役会は会社の経営陣を監督する。
  • 今後の注目点:実際の株式の種類、議決権の例外、適用基準を明らかにするのは、目論見書と会社の正式文書だ。それらによって上場後、一般投資家、従業員、創業者、Trustがそれぞれどの程度の発言権を持つかが分かる。

報道された株式案の内容

Reutersは、計画に詳しい人物の説明に基づくThe Informationの記事を引用し、CEOのダリオ・アモデイと6人の共同創業者が、会社の大半の事項について議決権の合計50.1%を持つ案だと報じた。7人のうち少なくとも3人が、定められた最低数の株式を保有している間、この仕組みが適用されるという。確認した資料では、その基準数も提案された種類株式の文書も公開されていない。Reutersは、コメントを求めたがAnthropicから直ちに回答を得られなかったと報じた。

この報道は、創業者が持つ過半数の議決権から取締役選挙を除外している。また、特定の争点で同数票を決する従業員向け種類株式案についても説明する。従業員向け規定の議決権の重み、発動条件、対象範囲は不明なままだ。報道された条件を、すでに採択された定款や、IPO投資家が特定の議決権を必ず得るという約束として読むべきではない。

ここでは別の区別も重要だ。議決権は、特定の会社事項について決定する権利であり、株主が受け取る利益や売却代金の割合とは同じではない。種類株式によって両者を分けることができる。報道された50.1%は大半の事項に関する議決権の割合であり、創業者がAnthropicの経済的価値の大半を所有するという主張ではない。

Trustにはすでに取締役会に関与する別の経路がある

AnthropicのLong-Term Benefit Trustに関する説明によると、TrustはClass T株式を保有する独立した5人の機関だ。この株式によりTrustは取締役の一部を選任・解任でき、その権限は将来的に取締役会の過半数にまで拡大することを想定している。Anthropicは、この仕組みによって取締役が一般株主だけでなく、同社の公益目的にも責任を負うようにすると説明している。同社の現行の透明性ページも、Trustと取締役選任権について説明している。

Anthropicが2023年に公表した説明では、取締役選任権を段階的に移す計画が示されていた。確認した公開ページからは、Trustが現在何議席を管理しているかは正確に分からない。また、Class Tの権利と、新たに報道された創業者向け種類株式の最終的な関係も示されていない。現在の報道に基づく案を限定的に読むなら、The InformationとReutersが伝えたのは、取締役選挙を例外として、創業者が株主の大半の議決権を持つという構想だ。例外の全容を知るには正式文書が必要になる。

この分担は、Anthropicの統治を評価する人にとって実務上の意味がある。創業者は多くの株主事項に決定的な発言権を持つ一方、Trustは取締役を選ぶ別の経路を持つ。取締役会は経営陣を監督する。この均衡が会社の公益への取り組みを強めるか、社外からの説明責任を果たしにくくするかは、最終的な権利、その保有者、行使方法によって変わる。報道だけでは答えは出ない。

IPOに向けた提出は確認済み、条件は未公表

6月1日、AnthropicはForm S-1の草案をSECに非公開で提出したと発表した。同社は、新規株式公開は審査、市場環境、その他の要因次第であり、発行株数と価格は未定だと述べた。非公開での提出では、将来の一般投資家に最終的な議決権構造は開示されない。

「All-Inポッドキャストの9月26日回」では、Anthropicの株式公開をめぐる広い議論の一部として、創業者の議決権が取り上げられた。これは解説であり、株主が案を承認した証拠でも、上場日が決まった証拠でもない。報道された案は独自に検討する価値がある。大手AI開発企業のどの意思決定で誰の票が数えられるかを、長期的な方向性に影響を及ぼす目的で設けられたTrustとともに定める案だからだ。

出典・関連資料

  • The Informationによる9月24日付の原報道。創業者が議決権を持つという案を最初に報じた。確認時、記事本文は購読者に限定されていたため、上記の詳しい条件はReutersが閲覧可能な形で紹介した内容に基づく。
  • Reutersによる9月24日付報道。報道された議決権50.1%、最低保有株数の条件、取締役選挙の例外、従業員向けの同数票決定用種類株式案を説明する。Reutersは詳細をThe Informationの報道に帰属させており、Anthropicの公開提出書面やReutersによる独自確認としてはいない。
  • Anthropicの「Long-Term Benefit Trust」説明。Class T株式、Trustの構成員5人、段階的に取締役選任権を与える構想についての公式説明。後の脚注でTrustの構成員は更新されているが、現在の取締役議席数や新たな創業者向け種類株式との関係は確定していない。
  • Anthropicの6月1日付Form S-1発表。草案を非公開で提出したことを同社が確認し、新規発行の株数と価格は未定だと説明している。報道された議決権案や上場日の保証は開示していない。
  • Anthropic透明性ハブ:企業統治と資金調達に関する説明。Trustが取締役選任権を持つ統治機構として現在も位置づけられているという会社側の説明。会社自身の説明だけで結果が確定するわけではない。