Authors Guildと他の書籍著者側の原告は、OpenAIが著作権のある書籍をどのように入手したかを、その後に書籍をどう扱ったかとは分けて検討するよう連邦判事に求めている。9月17日に公開された提出書面では、モデル学習に使われた書籍コレクションの入手元であるLibrary Genesis(LibGen)をめぐる社内協議を説明し、ダウンロード、学習、複製物の移転には、それぞれ独自の著作権分析が必要だと主張している。

OpenAIはこの考え方に異議を唱えている。同日付の改訂書面で、書籍の取得とモデルの学習は、フェアユースで保護される一体的な変革的目的に資するものだったと論じた。双方の申し立ては、ニューヨークのシドニー・H・スタイン判事の判断を待っている。9月24日の命令は提出日程を延長したが、著作権上の争いには判断を示していない。(原告側の書面、OpenAIの書面、日程に関する命令)

大きな変化

  • 変わったこと:著者側は、問題視している書籍取得の経緯を、より詳しい公開記録に基づいて読者に示せるようになった。9月の提出書面は、学習用書籍の入手元や企業側の扱いをめぐる争いを、以前より明らかにしている。
  • なぜ重要か:報酬を求める著者と、書籍の利用を擁護する開発者の双方にとって、学習の扱いだけでなく、書籍を取得した行為の法的評価も重要になる。モデルの目的によって、それ以前の複製まで正当化できるかについて、当事者の見解は分かれている。
  • 今後の注目点:次の提出書面では、法的な議論と著者への損害を示す証拠の双方が争われる。判事がどの証拠を認め、どの利用を別々に評価するかによって、審理なしで判断できる請求の範囲が左右される。

公開記録にあるBooks1とBooks2

9月17日の文書は、略式判決の申し立てに関する書面を、より詳しく公開した版だ。裁判所の9月3日の非公開命令は、当事者または第三者が非公開の継続を求めていない重要部分について、黒塗りを外して書面と事実関係の説明を再提出するよう命じた。一部の箇所は今も黒塗りのままだ。

ギルドの9月21日付発表は、そのうち2つの文書、原告側の法的書面(事件記録1982号)と訂正版の事実陳述書(同1987号)に注目したものだ。この発表は、原告であるギルド側の説明である。

事件記録1987号で著者側は、学習用データセットをBooks1、Books2と名付けた経緯に関する証言や社内メッセージを引用している。第271段落では、元OpenAI社員のベン・マンが両方ともLibGenに基づくと述べた証言を引用している。第275段落では、草稿論文の表現についての説明として、同氏の「意図的に曖昧にしている。LibGenだからだ」という発言を引用している。

同じ書面の第749段落には、当時OpenAIの政策責任者だったジャック・クラークが、2020年5月にジャンル小説の著者との競争を予想したメッセージも掲載されている。原告側は、これを市場からの締め出しに関する社内の懸念を示す証拠として提示している。このメッセージは、その後の書籍販売の減少を測定したものでも、市場への損害に関する裁判所の見解を確立するものでもない。

文書の表題には「争いのない重要事実」という語が含まれているが、これは原告側が略式判決を求めて提出した書面だ。民事訴訟規則56.1条に基づき、相手方は番号付きの各陳述に対して認否と裏付けとなる証拠を示す。この表題は、判事が記載内容全体を認めたという意味ではない。

書籍の取得と学習をめぐる争い

原告側の書面は、無償での書籍取得、学習のための複製、他者への複製物の配布をそれぞれ別個の利用として扱うよう裁判所に求めている。また、OpenAIとの商業関係や行為を監督できる立場を理由に、MicrosoftもOpenAIによる侵害の疑いに責任を負うと主張している。

学習そのものについて著者側は、モデルが書籍の創作的表現を利用して競合する作品を作り出すと論じている。それにより著者の市場が脅かされ、ライセンス収入を奪われると主張する。(原告側書面、25~38ページ)

OpenAIが9月17日に提出した書面は、GPT-3とGPT-3.5の学習にLibrary Genesisのコレクションを使ったことを認めている。同社の法的主張は、ダウンロードは一般的な言語パターンを学習するモデルの構築過程の一部だったというものだ。その過程全体の目的を裁判所が評価すべきだとし、書籍の代替や、法的に認められる市場損害の有無については争っている。(OpenAI、3ページ、23~25ページ、28~37ページ)

Microsoftの改訂版書籍訴訟書面も、学習はフェアユースに当たると擁護している。OpenAIが使ったLibGenデータセットの取得にMicrosoftは関与していないと主張する。生成物については、820万件のCopilot会話を分析し、著者側が権利を主張する作品と一致する30語を含む回答が24件あったという調査を挙げている。これは特定の照合基準を用いた分析に関するMicrosoft側の説明であり、著者が主張し得るあらゆる損害を測定したものではない。

この対立が重要なのは、米国著作権法が、利用の目的、著作物の性質、利用された量、市場への影響を裁判所が考慮するよう定めているためだ。複製物を取得したことをめぐる争いと、生成された文章がもたらす競争をめぐる争いでは、事実関係が異なる。当事者は、これらの問いを法的にどう結びつけるかについても争っている。

証拠をめぐる争いは続いている

9月23日、OpenAIとMicrosoftは、著者側の提出書面のうちAI生成書籍と市場の希薄化に関する研究に依拠する部分や、追加の専門家報告書を排除するよう裁判所に求めた。その申し立てを裏付ける書面では、原告側の弁護士が研究費を出し、必要な専門家手続きを通じて研究を開示・提出しなかったと主張している。これらは証拠排除を求める被告側の主張であり、不正行為が認定されたわけではない。申し立ては、事件記録1982号と1987号で引用された資料を直接対象としている。

略式判決とは、重要な事実について審理を要する真の争いがなく、申し立てた側が法律上判決を受ける権利を持つ場合に、裁判所が裁判を開かずに請求の全部または一部を判断する手続きだ。(連邦規則56条)

9月25日までに確認した公開の事件記録には、提出書面と専門家証拠をめぐる申し立てが続いていることが記されている。スタイン判事の9月24日の命令は、すべての当事者の反論書面を10月23日、アミカス・ブリーフ(法廷助言書)を10月30日、再反論書面を11月20日までに提出する日程を定めた。著者とAI開発者にとって次の段階は、複製と損害をめぐる双方の説明を裁判所が評価することだ。新たに公開された書面は、その評価に向けた主張と引用証拠を示すものであり、賠償命令やフェアユースに関する最終判断を示すものではない。