NVIDIAは10月12日のOpen Compute Project(OCP)グローバルサミットで、AIデータセンターの設計とソフトウェアへの貢献を発表した。運用者にとっては、読める施設仕様、確認できるコードリポジトリ、NVIDIAがOCPに提出したと説明するラック設計を区別することが重要だ。発表にはパートナーの計画や将来のハードウェアも含まれ、それぞれ段階が異なる。
重要文書の日付は正確に見る必要がある。NVIDIAはサミットのニュースとともに Open Data Center仕様 を紹介したが、改訂版0.7.0に記載された発効日は 2026年8月27日だ。版履歴にはAMD、Google、Meta、NVIDIAの共同作業が記録されている。10月12日はNVIDIAがその取り組みに注目を集めた日であり、仕様書に印字された発効日ではない。
大きな変化
NVIDIAの OCP発表 は、AI施設の異なる3層をまとめている。更新されたMGXラックアーキテクチャ、公開DSXソフトウェアリポジトリ、OCPの施設設計仕様だ。建設者はこれらの文書やコードを自社要件と照らして検討できる。ただし、特定のVera Rubin設置環境が稼働中であることや、発表されたパートナー設計・将来のネットワーク製品を購入できることを示すものではない。
測定可能な設計目標を示す施設文書
OCPの 『Open Data Center:次世代MLインフラ設計原則』改訂0.7.0 は、2027~2028年のAI・機械学習システムを対象とする施設レベルの設計仕様だ。構造上の制限、列間隔、電力密度、冷却を扱う。たとえば表1はラック高の目標を100インチ、最低冷気通路を82インチとし、表2はクラスターの最小規模基準を12 MW、推奨値を24 MWとしている。これは仕様上の設計目標であり、建設済み施設の測定値ではない。
版履歴も参考になる。0.7.0では、以前のGoogle固有の指針が4社共同執筆の文書へと広がった。施設設計者は、公表された数値を施設、電力、冷却の各サプライヤーとの共通の議論材料にできる。文書は実装リスクが利用者にあると明記し、付録の図面は非規範的な例としている。個々のプロジェクトでは、現地の設計、安全審査、製品互換性を引き続き確認する必要がある。
MGXはラック、DSXは運用を扱う
ラックのレベルでは、NVIDIAは自社の MGXアーキテクチャを通じてVera Rubinラックと計算トレイの設計をOCPに提供したと述べている。10月の発表ではMGX 1.2に、ブラインドメイト液冷、ラック規模の相互接続基盤、液冷5,000Aバスバー、19インチ機器のネイティブ対応が加わると説明する。これはNVIDIAによる設計の説明だ。上記のOCP施設仕様はラックを取り巻くデータホールを扱っており、MGXハードウェアの独立試験でも、MGX 1.2システムの販売案内でもない。
NVIDIAはDSX AI Factoryの取り組みで、4つの公開ソフトウェアリポジトリも紹介した。ネットワーク構成向けの Config Manager 、クラスター検証向けの Cluster Readiness Engine 、ラック運用向けの Rack Management Service 、ベアメタルKubernetesプロビジョニング向けの NVIDIA Infrastructure Controller用Cluster API Provider だ。各リポジトリは確認可能なコードと文書を公開している。Config ManagerのREADMEは Developer Preview と記し、本番利用を推奨していない。Cluster API ProviderのREADMEは互換性欄でサポートレベルを Experimental としている。公開コードだけでは、発表記事が主張する導入時間や信頼性の結果を検証できない。
データセンターチームが実際に進めるなら、まずOCP文書の施設要件を確認し、ラックインターフェースをMGX資料と比較し、各DSXリポジトリを自社スタック向けに評価する。これらの成果物は異なる階層にあり、3つをまたぐ検証済みで交換可能な一式があるとは情報源から確認できない。
計画はまだ計画
同じ NVIDIAの発表 では、Visionbayが800V直流K-1施設設計の 計画 を明らかにしたと説明する。NVIDIAとCiscoはUSFP光モジュール規格の 計画 を発表し、Falcon Transportの対応は将来の ConnectX-10 SuperNICおよびBlueField DPU に位置づけられている。これらは提案された設計や将来の対応を表すもので、検証済みの導入実績や現在購入可能な製品を示すものではない。
調達にとって、直ちに役立つのは、依頼して確認する文書が明確になったことだ。OCPの版管理された施設仕様、NVIDIAが説明するMGXラックインターフェース、4つのソフトウェアリポジトリである。実際の設置判断には、該当ハードウェア仕様、サプライヤーの約束、相互運用作業、現場設計が引き続き必要だ。BIG CHANGEは公開文書とリポジトリを確認したが、ハードウェアを試験したり、ソフトウェアを導入したりしていない。
出典・参考資料
- NVIDIAのOCPグローバルサミット発表、2026年10月12日 はMGX 1.2の貢献、DSXリポジトリ、パートナー発表を説明する。ベンダー記事の製品能力や導入効果は、独立した測定ではなく発表元に帰属する主張だ。
- OCP Open Data Center仕様、改訂0.7.0 は施設の原文書。表紙には2026年8月27日の発効日が記載され、第4~6節に物理、電力、冷却の目標がある。付録は明示的に非規範的だ。
- NVIDIA Config Managerリポジトリ、 Cluster Readiness Engineリポジトリ、 Rack Management Serviceリポジトリ、 Cluster API Providerリポジトリ はNVIDIAがリンクしたソフトウェアを公開する。READMEは構成要素と前提条件を説明する。Config ManagerはDeveloper Preview、Cluster API ProviderはExperimentalと明記している。



