Manusは9月28日、Manus 2.0を発表した。エージェントシステムを刷新し、クリエイティブ作業向けデスクトップワークスペース、イベントをきっかけに動く自動化、Cueと呼ばれる独立したパーソナルエージェントアプリを組み合わせた。今回の変更で、エージェントが最初の案を作った後も作業を続けられる。タイムライン上で動画クリップを編集したり、プレイ可能なゲームの素材やコードを調整したり、接続サービスから通知を受けた後に作業を始めるよう設定したりできる。

クリエイターや小規模チームにとっては、Manusが初版を作った後もプロジェクトを手直しできる点が変化だ。Manusによれば、Studioは許可されたデスクトップセッションでローカルのファイルやツールを扱う。Video Editorでは、クリップ、画像、テキスト、モーショングラフィックス、音声をタイムライン上の個別要素として編集できる。Game Devには素材、コード、動き、アート、シーンを変更する編集パネルがある。これらの説明は、BIG CHANGEによる実機検証では確認していない。Manus 2.0にはアクセスしていない。

初稿から編集可能なプロジェクトへ

ManusはStudioを、接続されたデスクトップセッションで既存のフォルダーやファイルを使うためのワークスペースと説明している。クリエイターは、映像素材や商品写真を含むフォルダーをManusに指定して初版を作らせ、直接操作や指示で修正できる。ヘルプセンターの概要では、Video EditorとGame DevがStudioの追加機能として挙げられている。

Video Editorで案内されている流れは、概要の指示、初版の作成、タイムライン編集、プレビュー、書き出しだ。字幕の修正、音楽や生成した商品画像の差し替え、間のカット、アニメーションの位置調整ができる。説明によると、編集内容をManusに戻し、同じプロジェクトでさらに修正させることもできる。想定用途として、30~60秒の商品広告、AI生成のユーザー投稿風動画、データを使ったモーショングラフィックス、チュートリアル、Vlog、動きを生かした動画が挙げられている。ここで確認した公開資料には、書き出し形式、解像度、対応コーデック、入力素材の具体的な要件は記載されていない。

ManusのGame Devの使い方によると、Game Devは、スクロール、ジャンプ、ブロックパズルなどのプレイ可能なテンプレートから始める。編集パネルではゲームの確認、素材管理、コード調整、動き、アート、シーンの変更ができる。Manusによれば、初版は最初のセッション中にプレイできる。マルチプレイヤーについて、ヘルプページは「設定」、「Multiplayer」、「Cloud Computerを選択」、「購入」の順に案内している。サーバーの設定は同社が行うという。Cloud Computerは、別途購入する常時稼働の環境だ。発表では、リンクからプレイ可能なウェブサイトを公開できるとも説明している。ヘルプ記事は対応する書き出し形式、ソースコードの持ち運びやすさ、ホスティング上限を明示していない。

自動化とCueでデスクトップ作業の範囲を拡張

Manusによると、自動化では接続サービスでイベントが発生したときにタスクを開始できる。ヘルプページは、トリガーを選び、必要なサービスを認証し、次に何をするかManusへ指示する手順を説明している。発表では、メール、広告の成果、カレンダーの予定、Slackのメッセージ、Notionの更新がトリガーの例として挙げられた。Manus 2.0のヘルプページには、利用できる連携先の全リスト、トリガーの頻度、失敗時の処理、自動化の利用料金は示されていない。常時稼働が必要な自動化にはCloud Computerを利用できるが、月額料金が別途かかる。

ManusはCueを、エージェントを個人用チームとして運用する独立アプリと説明している。ウェブ、デスクトップ、モバイルで利用できるとしている一方、ヘルプページによるとCueには招待コードが必要だ。各エージェントには独自のメールアドレス、電話番号、ウォレット、コンピューターが用意される。エージェントをグループ化して作業を引き継がせ、方向性を定め、最終判断を下せる。発表ではCueは早期アクセスで、招待コードがあれば無料とされていた。公開時点ではiOSアプリのApp Store審査が続いていた。確認した資料では、ウォレットの上限、電話番号の利用可能地域、本人確認、早期アクセス後の料金は公表されていない。

利用条件、費用、証拠の限界

Manusによると、Manus 2.0はウェブ、デスクトップ、モバイルで利用できる。Cueは別枠の早期アクセスだ。9月29日時点で、Manus 2.0のヘルプセンターの一覧には概要とGame Devの手順の2記事があった。Video Editorの詳細なマニュアルや、自動化の個別設定手順はなかった。

Manusのクレジット規則によると、エージェントのタスクでは複雑さと所要時間に応じてクレジットが消費される。3月16日のメンバーシップ料金ページには、無料プランは月額0ドルで1日300クレジット、同時実行タスク1件、予約タスク2件と記載されていた。同ページではAgent ModeはManus 1.6 Liteとされている。Proは月額20ドルで4,000クレジット、または40ドルで8,000クレジットからで、同時実行タスクと予約タスクは最大20件。Teamは1席当たり月額20ドルからだった。このページはManus 2.0より前のもので、新機能の対象プランや、動画・ゲーム・自動化で消費するクレジット数は示していない。これらは当時のプラン情報であり、新ツールの確定料金ではない。

9月29日の週に更新されたCloud Computerの課金ページには、現行プランが2種類掲載されている。Standardは月額30ドルで2 vCPU、メモリ4 GB、ストレージ70 GB。Advancedは月額50ドルで2 vCPU、メモリ8 GB、ストレージ120 GB。どちらも専用パブリックIPとUbuntu Server 24.04 LTSが含まれる。Manusによると、稼働中のセッション以外でもマシンは利用できるが、契約が失効すると停止し、作業ファイル、インストールしたツール、データベースは削除される。これらの料金は常時稼働のホスティングに適用される。Studioのサブスクリプション料金は記載されていない。

Manusは「ある一つのテスト構成」で、Cascadeが従来のシステムよりトークンを23.2%少なく使い、タスクを28.2%速く完了し、実行費用を32%削減したと報告している。ヘルプセンターは、これらは総合平均ではないと説明している。タスクの内容、標本数、モデル設定、テスト環境、手法は明らかにされていない。いずれも同社が報告した測定値だ。公開日に出た独立系の解説でも、発表時点で独立したベンチマークへのリンクは見つからなかった。

Manus 2.0では、編集可能なワークスペースとエージェントのタスクを継続実行する方法が加わった。公開された手順では、動画やゲームを直接編集する方法が説明されている。Cueと自動化では利用条件や料金に新たな疑問が生じ、発表資料でも答えが出ていない点が残る。有料利用を決める前に、Manusの最新のプランと利用条件を確認したい。

大きな変化

  • Manusは動画のタイムライン操作と、ゲーム内の素材・コードを直接編集する機能を説明している。実際の性能は、ここでは未検証だ。
  • Manusによると、接続サービスでイベントが起きた後に予約作業を開始できる。チームはサービスを認証したうえで、エージェントに次の操作として何を許可するか決める必要がある。
  • Cueではエージェントに独自の連絡先や決済用の識別情報が割り当てられる。確認した資料では招待制の早期アクセス段階で、運用ルールとプレビュー後の料金はまだ不明だ。
  • Manusは、マルチプレイヤーゲーム向けの常時稼働サーバー、および常時利用できる環境を必要とする自動化の選択肢として、有料のCloud Computerを案内している。公開されたプランには月額料金とサーバー仕様が記載されている。
  • Manusが示した効率の数値は、一つの構成における同社の測定結果だ。確認した資料には、クリエイターの作業でのテスト手順や平均的な結果は示されていない。

出典・参考資料

  • Manus 2.0ヘルプセンターの一覧:9月29日時点で、機能概要とGame Devの手順の2記事が掲載されていた。一覧から、確認時点でManusが公開していた個別ガイドを把握できる。
  • 「Introducing Manus 2.0」:9月28日のManusの発表で、公開日、同社が述べる提供状況、Studioの機能、Cueの早期アクセス条件、Cascadeの性能数値を確認できる。製品説明と性能数値は同社の主張である。
  • 「What is new in Manus 2.0?」:9月29日更新のManusヘルプセンター記事。Studioに許可されたデスクトップセッションが必要なこと、動画のタイムライン操作、Game Dev、Remote Control、自動化の設定、Cueの招待条件を説明している。Video Editorの詳細マニュアルや機能の利用料金はない。
  • 「How can I use Game Dev in Manus?」:9月29日更新のManusヘルプセンター記事。プレイ可能なテンプレート、編集操作、マルチプレイヤー向けCloud Computerの設定手順を説明する。ベンダーの資料であり、独立したテストではない。
  • 「What is the Cloud Computer?」:6月5日のManusヘルプセンター記事。常時稼働する仮想マシンについて、一時的なタスク用サンドボックスやローカルのデスクトップ接続との違いを説明する。
  • 「Understanding Cloud Computer Plans and Billing」:6月5日のManusヘルプセンター記事。月額プラン、サーバー仕様、有効な契約が必要なことを掲載。
  • 「What is the current membership pricing for Manus?」:3月16日のManusヘルプセンター記事。会員料金とクレジット割当を掲載。Manus 2.0より前のページであり、新機能との対応は示していない。
  • 「What are the rules for credits consumption?」:6月18日のManusヘルプセンター記事。タスクの複雑さと所要時間に応じたクレジット消費の仕組みを説明する。新しいクリエイティブ機能ごとの料金は示していない。
  • 「Manus 2.0: Cascade Harness, Manus Studio, Cloud Computer, and Cue Agents」:公開日に出た独立系の解説。効率数値はManusが提供したもので、公開時点で独立したベンチマークへのリンクがなかったと指摘している。機能を実際に試した報告ではない。